2020年06月22日
始業10分前出社は強制できるのか~労務管理の基本~
From 桜井智
池袋のオフィスより
本日のメインテーマは、「始業10分前出社は強制できるのか」です。
新任アシスタントさんと店長さんの会話を交えながら解説していきます。
アシスタント:
うちの店は10時始業なので、10時までに出社すればいいのですよね。
なんで出社時間を10分前にしているのですか。
店長:
前にいた社員にいつも10時ぎりぎり、もしくは遅刻してくる社員がいて、一律10分前の出社時刻としています。
アシスタント:
確かに、ギリギリだと精神的に不安定になり、事故とかも起こりやすそうですよね。
店長:
特に新卒で入った社員の中には、学校の始業時刻と混同している人が多いよね。
アシスタント:
学校だと、とにかくその時間にそこにいればいい、、
店長:
そうだね、、、
会社の始業時間の定義がずれているかもね。
会社の場合は、その時間から業務が開始できる常態で就業場所にいることだからね。
社労士:
はい、さすがです。
始業時刻の意味を深く理解されていますね。
では、ちょっと掘り下げます。
昨今の世の中では、企業に対する義務についてはいろいろな情報が氾濫して、ホワイト企業やブラック企業など格付けする動きがありますが、労働契約を結ぶことによる労働者に課せられる義務についての認識が緩いような気がします。
そもそも、労働者の義務ってどんなものがあるのでしょうか?
様々な義務が発生しますが、そのうちの1つ、「労働義務」について見ていきます。
この「労働義務」の根拠となる条文は民法415条になります。
労務の提供は、「債務の本旨に従わなければならない」という一般契約上の債務履行を負っています。
労働者が労働契約を結ぶということは「債務の本旨に従った」労働を約束した次のような「労働義務」を負っています。
「心身ともに完全な状態で」
「所定の労働日に定められた始業時刻までに」
「当日の労働に適する服装(作業服、安全帽、安全靴等の着用)で」
「労務を提供しなければならない」
結構厳しい内容ですよね。
先ほど出てきた始業時刻、上記のことを考えると5分前には出社して始業と同時に業務開始できるように準備する必要があるかと思います。
ただし、10分前に出社させて、店の掃除を行う、朝礼(業務打合せ)を行う、遅れた場合に賃金控除がある、などがある場合は、労働時間に該当する可能性がありますのでご注意ください。
アシスタント:
結構厳しい義務があるんですね。
ブラック社員にならないよう気を付けます。
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