2021年02月22日
採用内定の取消はできるの?①〜労務管理の基本〜
From 桜井智
池袋のオフィスより
本日のメインテーマは「採用内定の取消はできるの?」です。
いつも通りアシスタントさんと店長さんの会話を交えながら解説していきます。
アシスタント:
そろそろ新卒入社の人たちの入社準備始めます。
店長:
もうそんな時期なんだ。
今年はコロナの関係があるので、万が一4月からの予約が少なかった場合は入社を5月にしようかな。
アシスタント:
入社時期って勝手に変えていいんですか?
店長:
中途採用の場合は、入社時期を調整できるから大丈夫じゃないかな。
社労士:
ちょっと待ってください。
新卒者との労働契約関係については、中途採用の場合と違って注意が必要です。
店長:
入社時期をずらすのはダメなんでしょうか?
社労士:
入社時期を遅らせるのは問題ありません。
ただしその場合、遅らせた理由によってはその労働者が通常通り働いた場合の賃金を全額支払う必要があります。
一般的に新卒採用者に対する内定通知は、就労の始期付きの労働契約が成立したとみなします。
従いまして民法の規定により、事業主の都合による入社時期の延期の場合については、給与の全額を保証する必要があります。
店長:
では、コロナで予約が減って仕事がないので延期する場合はどうなりますか?
社労士:
はい、そのようなケースの場合は2つのパターンが考えられます。
ケース1
国の緊急事態宣言により、企業に対して休業命令が出されて営業自体が禁止された場合
この場合は、会社の判断も入る余地もなく休まざるを得ないため、給与を払わなくても問題ありません。
ケース2
国の緊急事態宣言ではあるが、あくまで自粛の要請のみで強制力がなく、休業するかどうかは企業の採用にゆだねられている場合
この場合は、給与を支払う必要があります。
店長:
では今回の緊急事態宣言の場合は、特に休業が強制されているわけではないので給与を払う必要があるのですね。
社労士:
はい、支払う必要があります。
実務上は、一定条件を満たせば雇用調整助成金を受給することが可能ですので、国の制度を利用していただき、若者の不安を払拭すべく、給与を保証していただければと思います。
次回以降は内定取り消しのケースについて解説していきます。
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