2021年03月19日
採用内定の取消はできるの?②〜労務管理の基本〜
From 桜井智
池袋のオフィスより
今回のメインテーマは「採用内定の取消はできるの?」です。
前回は採用時期の延期についての話までしかできませんでしたので、今回は内定取り消しの話まで進めていきます。
いつも通りアシスタントさんと店長さんの会話を交えながら解説していきます。
アシスタント:
テレビのニュース等で、新卒者の内定取り消しが報道されてましたね。
店長:
航空業会、旅行業界も大変みたいだね。
アシスタント:
新卒の場合は、まだ働いているわけではないから、内定の取消は法的に問題ないのですかね。
店長:
うちの店も4月から新卒が入社する予定だけど、コロナの状況次第では考える必要があるかもね。
アシスタント:
社員も休業などで歩合が減って困っているのに、新卒入れてもやってもらう仕事もないですよね。
社労士:
今回のテーマは新卒採用者の内定取り消しについてです。
それでは解説していきます。
実は新卒の内定取り消しについては色々な判例が出ており、ケースバイケースで判断されることになります。
店長:
それではどう対処したら良いか困ります。
社労士:
そうですよね。
まずは法的な解釈を簡単に説明した後に、実務上の対応方法をお話ししていきます。
店長:
よろしくお願いいたします。
社労士:
まずは内定についての法的な効果ですが、一般的に採用内定通知がなされ、誓約書を提出している段階では、その会社の一般的な新卒社員の入社時期を始期とした、解約権留保付きの労働契約が成立していると考えられております。
従いまして、新卒者の内定取り消しの場合には、労働基準法の解雇に準じて対応していく必要があります。
店長:
新卒の方の内定取り消しは色々と制限があるのですね。
社労士:
中途採用の場合と異なり新卒者の場合は、国としても保護していく必要があるのと、採用内定者は4月からその会社で働けるとの期待値が高いですから、その期待値を保護する必要があるため、企業側にはこのような解雇に準じた厳しい対応が求められております。
店長:
では、絶対に新卒者は入社させないとだめなのですか?
コロナで一部店舗の閉鎖などで、既存の従業員を整理解雇しているサロンだってありよね。
社労士:
そうですね。
実務上は、整理解雇に準じて手続きを行えば、採用内定取消は可能です。
具体的には
(売上向上、経費削減、人件費の見直しなど)
2. 解雇するための合理的な理由
3. 少なくとも1か月前には通知し、誠意をもって説明する
4. 他社への就職のあっせんやサポートを行う
5. 必要な補償を検討する
6. ハローワークへ届出
7. 学校長へ通知
などになります。
店長:
結構ハードル高いですね。
社労士:
判例を見ていると、やはり今後の日本を支える人材を守って行きたいとの意志を感じます。
上記以外にも、新卒の学生たちが転職など他の道を見つけやすいようなサポートをする必要がるかと思います。
ハローワークへ届出も必要ですので、相談されるのも一つの方法かと思います。
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