2021年06月02日
無断欠勤し、会社に来なくなった社員はどうするの?〜労務管理の基本〜
From 桜井智
池袋のオフィスより
本日のメインテーマは「無断欠勤し、会社に来なくなった社員はどうするの?」です。
いつも通りアシスタントさんと店長さんの会話を交えながら解説していきます。
アシスタント:
店長、今月入社した社員が今週から無断で欠勤していて、こちらから連絡しても電話に出ないのですがどうしますか?
店長:
そうか、履歴書の住所へ訪問してみるわ。
アシスタント:
よろしくお願いいたします。
けど、そこまでして面倒見る必要あるんですか?
社会人だから会社に出社するのは当然ですよね。
店長:
そりゃそうだけど、万が一、独身で自宅で倒れたり、事件や事故に巻き込まれたりしてたら大変じゃない。
アシスタント:
はい、わかりました。
履歴書と、念のため保証人(ご両親)の連絡先です。
店長:
ありがとう。
社労士:
初期対応としては、非常に良いかと思います。
事前に緊急連絡先などを社員から情報収集しておくことも重要になります。
特に昨今、コロナなどでいきなり入院が必要になるケースもあるかと思いますので、事前の準備をお勧めします。
店長:
住所に行ってみたのですが不在で、親御さんに連絡して見たのですが、親御さんも連絡が取れなかったのですが、どうしたらよいですか。
社労士:
まず、就業規則でどのような規定がなされているかが重要です。
解雇事由の中に「無断欠勤した場合」との条件が記載されていることが必要になります。
もしそのような記載のない場合は、民法の原則が適用されます。
民法の規定では、期間の定めのない雇用契約の解約告知期間は2週間とされております。
解雇は1か月前には本人に対して告知しないとなりません。
しかし、今回のケースのように正当な理由がなく2週間以上の欠勤をしている場合については、労働基準法の解雇予告除外認定が受けられる可能性があり、この1か月前の解雇予告が必要ありません。
従いまして、解雇期間の30日は必要なく、本人との契約を2週間で解約することができることになります。
しかし、ここで問題なのが「本人への告知」をどのようにするかです。
この本人への告知ができない場合は、解雇の手続きが出来ないことになります。
このように本人への告知ができない場合、民法では、「公示による意思表示」が必要と言っています。
この「公示による意思表示」とは、民事訴訟上法の規程に従い裁判所の掲示板に掲載し、かつ掲示のあったことを必要としています。
店長:
大変ですね。
入社してすぐに会社に来なくなる人は結構多いので、この手続きをしていたら営業出来ませんよ。。。。
社労士:
では実務上のお話をします。
まず、このような退職のケースを「解雇」で扱うのではなく「退職」で扱えるように、まず就業規則の退職の項目へ「会社に連絡がなく1か月を経過し、会社が所在を知らないとき」などと記載し、無断欠勤が続く場合は、当然に労働契約が終了することを規程してください。
その後事由が発生した場合は内容証明などで
〇日までに連絡がない場合は〇日付で自己都合による退職として手続きする旨記載して送達する。
期日が来たら退職手続きを行うことになります。
店長:
公示送達ではなくても問題ないのですか?
社労士:
はい、あらかじめ就業規則へ当然退職事由の記載があれば、大きな問題に発展するケースは少ないかと思います。
但し、今回のケースはあくまで入社間もないケースを想定しております。
ケースバイケースで対応方法は検討する必要がありますので、必ず相談してくださいね。
店長:
はい、わかりました。
ありがとうございます。
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