2021年07月01日
労働局から緑色の封筒が送られて・・・〜労務管理の基本〜
From 桜井智
池袋のオフィスより
労働局から緑色の封筒が送られてきている事業主様も多いと思います。
それは、労働保険の年度更新の手続きの案内です。
本日のメインテーマは「労働保険の年度更新ついて」です。
店長さんとの会話を交えながら解説していきます。
店長:
先生、そもそも労働保険って何ですか?
最近じゃ振り込め詐欺や必要のないアンケートなどあり、余計な書類は見ないで捨ててますけど、この緑色の封筒は提出義務あるんですか?
社労士:
そうですね、こちらの書類は捨ててはダメな方の書類です。
労働保険の保険料を申告する年に1回の手続きになります。
もちろん、申告期限を過ぎてしまうと延滞金をとられてしまいますので、今年は7月12日までに必ず申請してください。
労働保険とは、労災保険と雇用保険を合わせたものになります。
従業員を1人でも雇っている事業所の方は、申告が必要になります。
店長:
雇用保険は、社員が入社したときに取得の手続きをして保険料を給料から天引きしてますけど、労災保険は何にも手続きしていないし給与からも天引きしていないのですが、申告する必要あるのですか?
社労士:
そうですね、労災保険については保険料は全額会社負担になります。
従いまして、社員さんの給与から天引きしないでOKです。
そして、雇用保険のように入退社などで特別な手続きも必要ありません。
労災保険は、そこに給与を払っている労働者がいれば保証しますよという非常に加入要件がゆるい保険です。
したがって、入退社を雇用保険ほど厳しく管理しなくても運営可能なのです。
しかし、実際の給付の要件は厳しく、勤務上や通勤途中のけがなのか厳格に判断されます。
店長:
だから労災は加入している感覚がないのですね。
社労士:
それでは実際の年度更新の流れをご説明していきます。
年度更新では、大きく分けて2つの内容を申告していきます。
この間に実際に発生した給与、交通費、賞与をもとに保険料を確定していきます。
2)令和3年4月1日から令和4年3月31日までの概算保険料の申告
翌年度に発生するであろう給与、交通費、賞与をもとに
保険料を計算し前払いしていきます。
特に従業員の変動などが予想されない場合は
1)の金額をもとに申告していきます。
店長:
翌年分を前払いしてるのですね。
社労士:
はい、正確にはその前年に翌年分を概算払いしていますので、1)の金額は確定分と差額だけ払えば良いことになります。
店長:
だから申告書の下の方の納付額の計算が意味不明なのですね。
社労士:
それでは申告書を作成していきます。
世に色々な本が出ていますが、申告書に添付されている「申告書の書き方」が一番わかりやすいです。
申告のためにわざわざ書籍などの購入は必要ないです。
P16の賃金集計表の書き方を参照し、1)の昨年度の賃金の支給状況を集計してください。
給与計算ソフトを導入されている会社様は、昨日の中に集計できるかと思います。
その内容をもとにP18の申告書の記入を参照し、添付されている複写式の申告書へ記入してください。
こちらは最寄りの労働基準監督署へ持参いただくか、郵送などでも大丈夫です。
P5を参照ください。
一番下の領収済通知書へ算出した保険料を記入、切り離して、金融機関で保険料を納付します。
店長:
なんか自分でもできそうな気がします。
社労士:
本業に差し支えない程度に一度トライしてみるのもよいかと思います。
大雑把に説明してしまったので実際の申請には、添付されている書き方をよく確認してください。
PS 少し難しいな、大丈夫かなと不安に思ったら是非問合せ下さい。
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